ずっと無駄だった

どっかで「超タブーである原発問題に反対を表明するなんて超クール」みたいな話をみたんだけど、百歩譲ってもそんなことないと思う。福島が力を解き放ったいまとなっては、原発に賛成どころか「仕方ない…」と心のなかで思っただけでも石が飛んでくる時代です。
アーティストなんてそれで金を稼いでることさえイメージさせてはならない高潔な職業で、例えば戦争大好き!とかちょっと無理だよね(三国志はなぜかセーフ)。ミュージシャンに至ってはエコも反戦も仕事のうちみたいなとこあるから、原発反対なんて造作もないだろう。ミュージックステーションで「最近は高速増殖炉で燃料増やすのにはまってますね〜」とかみたことないだろ?
原発の人たちは目に見えない放射能のことにはとても敏感なのに、いま世間のムードが反原発に染まってるなんていう誰にでもわかることはわからないらしい。はっきり言ってこんなにも活動家が有利なステージはそうそうないと思う。いまなら彼らのはちきれんばかりの情熱を結集して、うまいことだけやれば世の中を変えることはもはや夢じゃない。それなのに、ちょっと考え方の違う人やそこまで関心のない人たちを見つけると、すぐにそいつらは敵だ!としてクソだの無知だの社会人失格だの被曝しろだの立派な人間ならまず言わないような言葉をぶつけて袋叩きにしちゃう。
それで本人たちはお互いに勲章よろしくはてなスターとかつけちゃったりして、今日も圧勝だったな!!!などと宴を開いてるかもしれないけど、はたからみれば反戦の人たちほどインターネットでは狂犬になる傾向の研究結果そのまんまだなあとドン引かれてるんですよ。まあだいたいやってんの同じ人なんだろうけど笑。
反戦活動家が嫌われてきたのは、このような敵になら何をしてもいいという冷酷さと、相手の資料は隠蔽だ捏造だと突っぱね、自分の好きなネタや数字はその内容を問わないでドヤ顔っていう自己愛にあるわけで、それがいまも彼らの活動の足をおおいに引っ張っている。要するに、反原発の人々はまず自分たちが変わらなければ、この絶好のチャンスをも海に捨てることになるよ。