すべては因果の流れの中に

せっかくだから、ついでにすっかりおなじみのやつもやっとこうかと。なんでも載ってる三国志には驚いたことに自由意志の話もちゃんと出てくる。
天才軍師諸葛亮が過労のため血を吐くようになり、得意の天文を見てついに自分の死が迫っているのを悟った諸葛亮は事後について話そうと弟子の姜維を呼ぶのだが、姜維はそんなことより星に祈るお祓いをして寿命を延ばせと進言する。そのお祓いとは祭壇にろうそくを並べ、北斗七星に祈りその中央に置かれたろうそくの火が7日間消えなければ寿命が12年延びるというものだった。諸葛亮は昼間は陣中で軍務をこなし、夜になると祭壇で祈り続けた。祈りの効果か諸葛亮に生気が戻りだした6日目。突然の流星雨に異変を感じた司馬懿が様子を探りに五丈原に兵を出す。これを報告しようと魏延が勢いよく祭壇に入り、うっかりろうそくを倒してしまう。事の重大さを知る姜維はマジ切れしてすぐ魏延に斬りかかった。諸葛亮はろうそくの火が消えたのは人為ではなく天意なのだから落ち着けと姜維を諭す。この日を境に諸葛亮の容態は悪化し結局そのまま死んでしまう。
ということで、魏延がろうそくを倒すことは最初から決まってたわけですね。この魏延諸葛亮は非常に仲が悪く、諸葛亮魏延の武勇(当時最強)を惜しんで知らん顔をしていたのだが、魏延が陣中で堂々と大声で諸葛亮を非難する様子を知り、ついに諸葛亮司馬懿もろとも魏延を焼き殺す作戦を実行する。しかしこの作戦は寸前のところで大雨が降り、どちらも助かってしまうという最悪の結果に終わる。長年の不満に加え味方から命を狙われ生き延びた魏延が仕返しにろうそくを蹴っ飛ばしても実はおかしくないわけだ。諸葛亮もあの失敗がここで跳ね返ってきたのだなと観念したのだろう。もしかしたらやる前から読んでたかもしれない。それでも分かりきった未来に果敢に挑戦した諸葛亮は立派だ。思えば、知力100でありながら5倍以上の国力を持つ魏に挑み続けたこと自体が決定論への挑戦だったと言っていい。
まあでも吐血するくらい弱ってるのに仕事も休まず、徹夜し続けりゃ普通死ぬよな。。もっと言うとそんな延命の方法を知っていたのなら、要人が危なくなったらとりあえず全員にやらせないとおかしくね?諸葛亮のときだけ病人に無理をさせる祈祷を提案した姜維もあやしいってことだな。なんせ姜維はもともと魏の武将で諸葛亮に母親を人質に取られて(以下略