M−1グランプリ決勝回顧2

昨日の続きです。
最終決戦はどこも1本目と同じぐらいの感じ。サンドウィッチマンの「決戦用のネタがない」「あるやん」のやり取りが面白かった。今田さんはいつ見てもやり手。今田さんを輩出しただけで松っちゃんは偉大。「琵琶湖のほとりを散策しようぷらんぷらんプラン」の分トータルテンボスが上かなと思ったけど、まあどちらを選んでもという感はあったので不満はない。というより慢心しそうなトータルテンボスが取るぐらいなら斜め上を行ってサンドウィッチマンというのも面白い結果になったと思う。紳助も言ってたけど、ジャッジはガチンコなんだな、無名でもチャンスはあるんだなと視聴者や次の参加者に思わせることにもなるわけだし。まあしつこくなるけどそれを中の人である紳助が言うのは感心しないけれど。
さて、いままでM−1というのはネタをやる芸人さんたちの最高峰の天下一武道会だと思ってたんだけど、今年全体の率直な感想は小粒で低調だったなあと。もっとどこを切ってもハイレベルみたいな大会になってほしい。4000組超だっけ?それだけの人材が集まってそれを選りすぐっているはずなのに、こんなことになってしまうのは何かがおかしい。今年のメンバーの実力は置いとくとしてもこれがベストメンバーだという感じはしない。偉そうなこと言ってるけど、予選のシステムを実は正確には知らない。でもきっとそのへんがおかしいんだろうなと思わざるをえない。予測だけど年末年始にしっかりネタをやる番組があればそっちの方が圧倒的に豪華メンバーということになってしまうのではないか。
M−1がネタの面白い芸人さんを次々と出世させていくうちに、いつのまにか出世してない人の待合室みたいなことになってしまっているという面も残念だ。チュートリアルにあれから仕事が増えた増えたとM−1内でやたら言わせてたけど、そういうのも何か違和感を覚える。しつこく流れたオートバックスのCMに出てたチュートリアルは軒並み5点ぐらいじゃありませんでしたか?あんなことになるとわかっていたなら、チュートリアルは優勝なんてしなければよかったのにと思ってしまう。それならば、M−1優勝者たちだけで月いちぐらいでネタ番組やってくれないかなと。将棋のA級リーグ戦みたいなノリでさ。そこで審査員も採点の練習をすればいいと思う。そういう体系ができれば全体的に締まるのではないか。
審査員については前から言ってるように演者としてのレジェンドが審査員としても優れているとは限らない。どうも自分のスタイルに合わないタイプを評価しないような流れがある。レジェンドたちの活躍していたときとは時代が違うのに。伝統を守りたい気持ちがあるのかもしれないし、そういう考えが間違ってるとは思わない。ただ、そういう人ばっかりでは偏ってしまう。もっと柔軟な人選にした方がいいと思う。
とにかく心配なのは、M−1は正しい評価のされない場だから頑張るだけ無駄、よしんば活躍したとしても売れることとひきかえに何かを失ってしまうような大会なのだと思われだしてしまったら、せっかくの大舞台がもったいない。


えー戦った芸人さんたちやそのファンのみなさまには不快になるようなことばかり書いてしまいましたが、それもお笑い観戦の楽しみのひとつということでご容赦いただきたい。長々と失礼しました。