騒いでないで馬券を買おう

ふと思ったけど、ディープインパクトが体調管理のために治療薬を使ったっていうのは、レースで力を出せるようにとのスタッフ懸命の努力ってことで本当はいい話だよね。競馬って体調のところがブラックボックスになってて、それがいい具合によくできたギャンブル(ゲーム)としてのゆらぎになってるのだけれど、同時にこれが負けたときの正当な理由として便利に使われているわけです。
馬は口が聞けないので体調について何か言うことはできません。ということはその体調管理も人間より難しく、われわれの知らないところ(馬房にいるときとか)で信じられない体調変動が日々繰り広げられているかもしれません。実際、ディープインパクトに体調面での不安があったなんて話は知りませんでした。もし、少し不安があったので治療薬を使って様子を見ていますとかって話があれば、いろいろと話も変わってきたんじゃないかと思うのですが、まああの結末はあまり突っ込まないのが大人のマナーみたいなんでもういいですけど。要するに馬の体調は馬券を買う人に知らされないのが当たり前だということです。
ふたたび本題から逸れますが、体調について正確なことが発表できないのには理由があって、ひとつは体調が悪くても走ってしまうことがあるからで、例えば新聞なんかに不調と書かれた人気馬がそうなるとみんな気分が悪い。また、コメントにネガティブなコメントがズラっと並ぶのも全馬が勝ちを目指しているはずの競馬にとってまともな光景ではないだろう。もうひとつは、厩舎の管理能力が低いというアピールになってしまうからでそれが商売の調教師たちにとって毎日の様子をいちいち表に出すことはできればやりたくない。一口馬主とかやってる人ならおわかりでしょう。
さて、ここからが本題です。先日ハーツクライノド鳴りだということをわざわざ発表しました。

 ジャパンC(G1、芝2400メートル、26日=東京)で有力視されるハーツクライ(牡5、栗東・橋口)が、喘鳴症(ぜんめいしょう=ノド鳴り)にかかっていることを、管理する橋口弘次郎師(61)が明らかにした。

 全休日明けの14日、突然の発表だった。坂路の軽快なキャンターを見届けた橋口師は「レースが終わった後に言うのは嫌だし、今のうちに話しておこうと思った」と、公表の経緯を説明した。喘鳴症が判明したのはジャパンC2週前追い切りが行われた8日。坂路の併せ馬で先着した動きは素晴らしかったが、騎乗したルメールは「ノイズ、ノイズ」とノドが鳴ることをアピール。それを受けた内視鏡検査では「2つある弁のうち左側がマヒして、右と比べれば動きが弱いことが分かった」(同師)。ただし、症状は軽度という。

(日刊スポーツ)


競馬の未来を考えるにあたり、そろそろ問題にしないといけないのはくだらない薬の話なんかではなく、どうすれば馬券を気持ちよく買ってもらえるかということです。競馬は馬券で成り立っているのだということを忘れてはいけません。日本競馬の格や名声が上がったところで、馬券が売れなくなってしまえばそれこそ一巻の終わりです。馬券にまつわる不快な闇はいくらでも転がってます。そして、それに対する疑問の声が実際に馬券を買ってくれている人たちからじわじわとにじみ出てきているのです。競馬を守るとか言うなら、もっと取り上げるべきことがあるでしょ。例えば騎手の体調とかね。あの人たちめったに休まないけど毎週毎週万全なのだろうか。