ほら、また、同じ景色

待ちに待ったお正月競馬は散々な結果。軸馬の落馬、消した馬の連勝、買うのをやめたレースで予想が的中、人気馬を何となく信頼して行方不明、人気薄からのヒモ抜け、ヒモ同士で5万馬券・・。とまあ競馬のホロ苦さを開始3日間で一通り済ませた。おれだけが世界中の不幸を背負っていけばいいよもう笑。
さて、みちアキさんの「信」の在り様 を読んで思い出したんだけど、横山三国志では孫策が死んだのは祟りということになってるのね。孫策というのは呉の孫権の兄で圧倒的な戦争の才能だけで呉の基礎を築いた人です。ある日、于吉仙人と呼ばれ人々から生ける神と大人気の小汚い老人が孫策の城下にやってきた。孫策はそれを聞きすぐに捕らえて首をはねろと命じた。部下をはじめ孫策の母、妻までもがそれに反対したが孫策はこう答える。

妖人の横行は国の乱れというのがわからんのか。一匹の毒蛾は数千の卵を生み数千の卵は数十万の毒蛾となりところかまわず飛びまわる。その害はかぎりのないものとなる。根拠のないでたらめなことばが国中にみちあふれおかしな祭りがはやるようになるともうその国はおしまいだ。

急いで首をはねようとする孫策重臣たちがやってきて、殺してしまう前にこの仙人がおかしな妖術使いであるかどうか確かめたらどうかと進言する。ちょうど日照りが続いているので、雨乞いをさせ雨が降らなかったら首をはねましょうと言われ孫策もそれなら国民も目が覚めるだろうと、早速祭壇を作り雨乞いをやらせてみた。約束の期限になっても雨は降らず、孫策は張り切って祭壇に火をかける。すると突然空が暗くなり大雨が。全米も泣くこのめでたい結果にもかかわらず、孫策は「大雨が降るのも日照りが続くのもすべて自然現象。彼が祈らずとも今日雨は降ったのだ」と言って于吉を斬り捨てた。それ以来孫策は夜な夜な于吉の幻影を見るようになり、何も無いところに向かって一晩中剣を振り回しては疲れてぶっ倒れる日が続くようになった。こうなっても孫策は「自分は子供の頃から戦場で人を斬っている、いまさら老人ひとりで祟りもクソもない」とコメントしているのが微笑ましい。まもなく孫策は27歳という若さでこの世を去ってしまうのだった。
というわけで、いいことしたからって報われないこともあるのだろうけど、神様をないがしろにすると酷い目にあうぞってお話でした。怖いですね。孫策の言ってることはいちいちごもっともだし、于吉がほんとに神様だったら波動を出すなり空を飛ぶなりすればいいのにねえ笑。神様に理屈なんか通用しませんってことだね。ちなみに実際の孫策は逆恨みのならず者によって暗殺されて死にました。