馬は長持ちするだろうけど

NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」を偶然観た。最も印象的だったのはイクスキューズがかわいいなあということだけど、「見捨てない」のくだりは日頃しつこく言ってるだけにおれ藤沢和師と同じ事言ったわーと満足した。さすがに「馬はみんな才能がある」というのは言いすぎというかそれはいい馬ばかり預かってるからだよなあと思った。育てる方が才能が無いと決め付けて手を抜くとそれが馬にも伝わって腐るとかいいことばかり言ってた。子育てにも応用できる感じ。育てる予定は無いが。
そう考えると、というかああいう風に博打の駒、人によってはただの数字でしか無い競走馬が手間ひまかけて育てられている様子を見せられるといろいろ思うところがあるね。タイキスピリッツのゲート練習とかレースで後方に置かれもう勝負に参加できないのに、あえて直線で馬群に突っ込ませそのうえゴール板を過ぎても先頭の馬を抜くまで走らせるというレース内調教とか知らないところでいろいろなことが行われている。同時に競走馬は死と隣り合わせの生き物でもあり、無茶しなくても事故ることだってある脆い存在だ。それを壊れないように鍛えて稼がないといけないというのは想像以上に大事業なんだと思う。
だから藤澤和師が「一勝より一生」と言うのもわかるのだけど、お金を賭ける側はその瞬間的な勝敗によって草を食べるハメになったりする。「2人気だぜおれ恥ずかしいよ」と笑いながらタイキスピリッツにボヤいてたシーンは象徴的だったと思う。馬を管理する人にすればその馬のことがいちばん大事だし、一般のファンからすれば自分のお金がいちばんだ。お互い自分のことだけで他人のことなんて知ったこっちゃないわけ。この断絶はやはり気になる。ファンがいてはじめて競馬は回るわけだからね。そりゃおれだってあの場にいたら食べかけの草を分けてやって次頑張れ!と応援しちゃうだろうけどさ。そんなこんなで今週はダービーか。面白そうだなあ。