イノシシです

呂布の軍師・陳宮の話。陳宮董卓の暗殺に失敗した曹操を捕らえる警備隊の人として登場する。陳宮は国の乱れに心を痛めていたので、董卓に歯向かった曹操に興味を持ち意気投合して曹操を逃がしてやり行動を共にする。逃げる途中、曹操は知り合いの家を訪ねる。主人は曹操を快くかくまってやり、酒を買いに出る。主人がなかなか帰ってこないうえに、召使たちが外で刃物を研いでいることに気づいた曹操は賞金目当てに殺されるのではと勘違いして、召使たちを虐殺する。傍らで吊るされたイノシシを見て気まずくなった曹操陳宮はすぐにその場を離れた。通報されることをおそれた曹操は途中で出くわした主人をもためらいなく惨殺。陳宮曹操のあまりの自己中ぶりに衝撃を受け、見込み違いだったと感じ、眠っている曹操を殺そうとしたが寝首をかくのは卑怯だとしてできなかった。
その後、力をつけた曹操呂布の攻略に乗り出すと、陳宮はその軍師として再登場する。曹操を見限った陳宮呂布の武力と自分の智謀が合わされば曹操に対抗できると考えたのだろう。まず陳宮は遠征帰りの曹操軍が疲れてるうちにこちらから出て迎え討ちましょうと進言するも呂布はこれを却下。城に迫った曹操がとりあえず呂布に降伏を勧めると、呂布はそれもありかなあと心揺れたのだが陳宮呂布から弓を奪い取って曹操に向かって矢を放ち、その手に乗るかと一喝。おまwなに勝手なことをと動揺する呂布にどうみてもワナだろーが馬鹿かと叱りつけ敵前で口げんかを繰り広げた。
陳宮は、呂布が城から出て戦い、曹操軍が呂布に向かえば城から兵を出しその背後を突き、城兵に向かえば今度は呂布が背後を襲うという計略を提案するのだが、呂布は嫁に止められてこの作戦をあっさりと中止してしまう。そうやってモタモタしているうちに曹操軍は水攻めを開始。士気の衰えた呂布軍は徐々に追い詰められ、最後は呂布の配下が裏切って呂布を縛り城門を開いて降伏した。曹操は捕らえた陳宮の能力を惜しんで味方に戻るよう説得したが、陳宮は命乞いする呂布とは対照的に毅然とした態度でそれを拒否し潔く処刑された。
自分の才を活かし国を救える主君を探し求めていた陳宮であったが、よりにもよって知力25の呂布を選んでしまったばっかりになにひとつとして自分の助言を聞いてもらえず、国を救うどころかその才能を活かすことすらできなかった。呂布が彼をもう少し評価してやっていれば呂布も無様な最期を迎えることはなかっただろうにねえ。そして陳宮を最も評価していたのが敵である曹操だったというのもまた悲しい。