国際的罵倒芸

ここを継続的に読んでいる人は今日のを読む必要はありません笑。それでは今週の競馬ブックから石川ワタルの方をまずは片付けたいと思います。例によって飽きもせず国際化の話です。別にセカイや競馬に対してどんな理想を描こうとそれは個人の自由です。特に一般のブログだったら、変なのが混じっててもいろいろな意見が読めた方が面白くていいことだと思います。けれど、自説開陳の場所が天下の競馬ブックともなればそれ相応の態度ってものがあると思うのです。
今回槍玉にあがっているのはディラントーマスのEVA(馬ウイルス性動脈炎)の疑いで門前払いとなった話。海外の新聞では日本の馬に勝たせるためではないのかという論調まであったと書いている。また、EVAの感染を防ぐのであればどうして検疫所で一緒にいたほかの外国馬たちは出走できたのかという鋭い指摘もあったという。簡単に解説すると、JRAからすればディラントーマスが出走した方がいいに決まってる。もっと言えばレートの高い外国馬が勝ってくれるならそれが最も望ましい。海外通であるならそれぐらいのことはわかるはず。また、ディラントーマスが出走不可でほかの馬が出走できたのはそれがルールだからだ。あらゆる危険性をどこまでも追求していったらキリがないし、現実的ではない。ちっとも鋭くなんかない。

EVAは感染すると流産を起こすことから、馬産地では特に警戒されている。日本ではこれまで発生例がなく、入国時の条件を高く設定したいのはよく分かる。

日本の馬がアイルランドへ行く際には、"EVAの陰性確認"が入国の条件にはなっていないと聞いている。つまり日本だけ一方的に障壁を高く設定している。

馬インフルエンザでは強行開催は暴挙、オーストラリアへ飛び火に至っては国際的な恥さらしと批判され、EVAを規定どおりに警戒しただけで閉鎖的だと非難されるとは(しかも来日してきた側に落ち度)。最初に書いたように個々の価値観や世界観はみんな違う。それゆえに何か言ってやりたくなるのは人間らしいごく普通の衝動だ。でもだからといって印象操作にあたるようなやり方は感心しない。「日本だけが劣っている」というゆがんだ劣等感を押し付けるのはいいかげんやめてもらいたい。劣ってんのならディラントーマスなんで来たのよ。
温厚かつおおらかでおなじみの僕としましては、いまさらちょっとぐらいの問題児でいちいち驚いたりしません。変わってるなと思う人もたいていは若気の至りで、時間がたてば世界観以外のところで人は変わってくる。そこから人は人を許せるようになる。意見の違いなんてどうでもいい。大人のくせに同じところで足踏みしてる人が「これからの課題」って悪い冗談ですか。