「つまらなかった」と書く覚悟

個人サイトで「つまらなかった」と書く必要はない。(Something Orange)
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20080325/p1

誰にとって必要かという話。書く側からすればつまらないと書くことによるメリットはない。つまらなくても熱烈なファンというのは存在する。その人からすればつまらないなどと書かれることは不愉快極まりない。また、そうでなくても他人様につまらないと言うのは失礼にあたる。一種の暴力のようなものだ。この人は常識が無いのかなと疑われることになりかねない。
ということは逆に考えれば、つまらないとわざわざ書かない人というのは思慮深い人ということになる。相手やファンに対する思いやりがある。ここでひねくれもののおれが思い出すのは愛想笑いというやつだ。空気を読むでも可。人間関係や社会的地位を維持するために、中二を過ぎたあたりから誰もがやりだす醜悪な行為ね。「え?その話どこが面白いんすか?」って言えないもんなあ。現実では。だからまあネットをはけ口にしてるのかーというよりは、ネットでまで人の顔色をうかがって自分の感情を押し殺すのかーと思うわけです。
それから、年間7万冊のうち1冊を除外させるだけにすぎないというのは大間違いで、真面目に生きる人の自由な時間というのはびっくりするほど限られている。その時間をつまらないものに使ってしまったら被害は甚大です。もちろん高価なものであれば金銭的にも大打撃になる。時としてそれを回避させることができるのならば、つまらないと言うことにもそれなりの価値が出てくる。

それらをふまえてここから後編。まず、つまらないと書く人を見てそれだけで毛嫌いするのは我慢が足りない。見切りが早すぎる。物事の上っ面しか見ていない。熱烈なファンが顔を真っ赤にするのはわからないでもないけれど、自分がそのぶん張り切って応援すればそれでいいのではないだろうか。マンガ程度だったら買って友だちに配るぐらい頑張ったらいいよ。評判悪くても売れたら勝ちだからね。悲しいことに。
もっと言えば、反感を買うかもしれないなんてのは隣人に対する信頼が足りない。普通の大人なら意見の相違ぐらいで怒ったりしない。まして粘着とか炎上とかありえない。人を憎むハードルが低すぎる。
とはいえ、判断に迷ってる人やそれを生み出した人に対して「つまらない」という言葉がどれだけの影響力を持つかは考えないといけない。アルファブロガーなどと言われるぐらいの立場ともなるとその影響力は現実問題として小さくない。それを認識してさえいれば発言はある程度自由であるべきだ。無難な意見ばかりじゃあそれがいちばんつまらない。

参考文献

個人サイトで「つまらなかった」と書く必要性(琥珀色の戯言)
http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20080325#p1

re:つまんねえマンガはつまんねえと言うべきなのか問題。(おれせん。)
http://www.oresen.net/blog/2008/03/21/about-to-review-4/

「つまらない」「面白い」の表明について(ekken)
http://ekken.blog1.fc2.com/blog-entry-788.html