ブルーコンコルドの自重

ブルーコンコルド問題についてただかわいそうというのは薄っぺらいものを感じる。でもこれをそりゃ当たり前のことだよねとか、決定権はファンにないだろと全員がスンナリ受け入れるのも不気味だと思う。違和感を表明する人が一定数いることはむしろ正常なのではないかしら。
というよりも、そもそも競馬は強い馬にたどり着くための壮大な物語だということになっているので、そこが脅かされていることは問題になっていいと思う。早期引退傾向とかテイエムオペラオーとかにも当然注目すべきだね。
強い馬を競走によって選別して、それを繰り返し掛け合わせることでより強い馬が出現する。それが競馬の原点で、そこに付随するビジネス的な話は秘め事というかあまり注目しないのが大人のマナーというのは一般常識だ。しかし、損得勘定だけが正義ということになれば、一気に競馬は生臭い悪趣味なだけのものへと変わってしまう。
競走馬は実際にその物語にしたがって強ければまあ生きてもいいよという世界に暮らしているので、ブルーコンコルドは殺されないだけマシなのかもしれない。しかしまあ10億稼いでも死なないだけありがたいと思えという現実はすごい世界だなあとも思う。死なないだけのために生きる世界っていやですよね的な意味で。
ただ、ひとつ思うのはなぜこの馬が種牡馬にっていうパターンもあったりする。だからブルーコンコルドだけを捕まえて世界の終わりみたいな顔をするのも大げさな気がする。ロマン派もこれは例外なんだと思えばちょっとは楽になりませんかね。まあどのぐらい苦しいのかは当事者でないのでわからないのですけれど。